螺鈿らでんLADEN

残念なこと….嬉しいこと

わたしの住む街にも、駅ビルの中には丸善があって、とはいっても書籍を扱っているのではなくて、文房具を中心したお店で、市内では個人的にかなり重要度の高いお店でありました。
「で、ありました。」と過去形なのは、つい先だって閉店してしまったからです。とても残念です。同じ駅ビルの上のフロアには東急ハンズがあとから広い面積で開店したことも影響があったのかもしれません。確かにハンズ店は2フロアあって、面積もずっとずっとずっと広いのですが、高校生ぐらいの若いひとから相当の年齢のひとまで、たくさんのひとで賑わっています。その一方でちょっと高級志向の印象のある丸善は、たしかにお店にひとは少ないように思いました。

その丸善がとうとう閉店ということになりました。とてもとても残念です。最後の営業となる日、在庫一掃セールがありました。「文具80%」と張り紙されていたので、「20%OFFなのね」と喜んで、この際だからと以前からこのお店でも何本か購入していたキャップレス万年筆を一本購入することにしました。クレジットカードでお支払いしようとして、金額を見て勘違いに気づきました。八掛けの80%ではなくって、80%オフだったのです。これはちょっと気が付くのが遅かったです。残り少なくなったショーケースの中からキャップレス万年筆をあるだけだしていただいて、結局最初の1本に加えてさらに2本を購入しました。

その中で、特に嬉しかったのは、漆塗りの螺鈿が施された一本。以前から存在は承知していましたが、5万円超の価格ではちょっと難しかったのですが、この日は80%オフで、ひとつの夢が叶いました。もっと早く気づいていれば、ペリカン万年筆にもずっと思い続けていたものはあったのですが、すでに売り切れていました。
さてこの高級仕様の万年筆に施された「螺鈿」[らでん]と読みます。貝殻の内側の真珠層を漆の中に埋め込んで、研ぎ上げたもの。この万年筆の軸には金色で[PILOT URUSHI JAPAN]と記されています。JAPANは日本のことですが、小文字のjapanは漆器をさす単語になります。漆・漆ですね。

つまり丸善の閉店は残念だったけれども、螺鈿のキャップレスを購入できたことはとっても嬉しかったということです。
わたしのパイロット・キャップレス万年筆蒐集は、中学生になったときに父から送られた最初の一本から始まりました。一時期万年筆を使わなかった時期がありましたが、文章も手紙もコンピュータを使うようになって、文字を書くことがなくなったころから、キャップレスを見かけるたびに魅力を感じるようになりました。特に海外旅行の際にはPILOTやNAMIKIブランドの万年筆を探します。

PILOT CAPLESS 東京オリンピックの頃に誕生した世界初のノック式万年筆。長い文章をペンで書くことは少なくなり、どちらかというと手帳やメモ帳にちょこちょこっと書くペンがほしい。ボールペンでもいいけれど、どちらかというと鉛筆か万年筆が好きです。でもそのたびにキャップを外してというのが億劫うで、一時期はまっていたペリカン万年筆も万年筆庫の引き出しの中で眠り続けています。その点キャップレスなら実に手軽です。見た目以上に滑らか気持ち良い書き味。手帳に差していても金属製の軸は実にしっかりしています。……でもこれって後付の理由かな。もっと単純に気に入っているということなんだと思います。

海外旅行でわざわざ日本製の万年筆を探すのは、国内製品にはないカラーリングが嬉しいからです。この絵の中でも一際鮮やかなカナリヤイエローのものは国内では販売されていないのです。国内ではディープイエローといってどっちかというと黄土色といった色。鮮やかな赤のものは、これは限定品でとってもなお値段でした。通常の国内向けのはディープレッドの方。螺鈿の他に蒔絵なんかもあったと思います。PILOT万年筆の海外ブランドNAMIKIとキャップレスの海外商標Vanishing Point。これからも楽しんでいきたいと思っています。

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