暗くて寒くてお腹もすいて


 ポスターをご覧になって、集会の予定がどうして時系列ではないのだろう? そう気づいた方はなかなか注意力のある人です。そこには意図した仕掛けが少しだけ見えているのです。
 クリスマス集会のポスターとご案内には、実は別の目的があります。年に一度のクリスマスシーズンのイベントをご紹介するというよりも、毎週の主日礼拝と、子どもの教会に来ていただきたいとの思いがあります。クリスマス集会のご案内を伝道部が担当してきたのはこのためなのです。
 暖かな暖炉、美味しそうな七面鳥、蝋燭の炎が揺れる菓子、贈物の金色の包装紙。少女が思わず覗き込んでしまった窓の中の様子ではなく、暗くて、寒くて、お腹もすいて、ただただ悲しいだけのような、アンデルセンの描くマッチ売りの少女の境遇。それは世界で最初のクリスマス、泊まる部屋もなく馬小屋で出産を迎えたマリアとヨセフの境遇に近いものだったのかもしれません。お告げとは程遠い。都からは生まれたばかりの赤ん坊をヘロデ王が殺しに来るという噂。
 松戸教会のポスターは、そんな世界で最初のクリスマスのイメージを伝えようとします。
 クリスマスのポスターといえば、赤と緑の鮮やかなものが多いのです。可愛らしいデザインはみんな大好きです。そのかわり、飲食店のポスターも、教会のポスターも、文字を入れ替えただだけにしか見えないことにもなりかねないのです。
 別の視点からクリスマスの印象を捉え、趣味性を断ち切ることで、ありきたりな表現に埋没することから脱けだすことを図りました。

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