イタリアンプディング


イタリアンプリンという名前の食べてはいけないもの。
 プリンといえば、英文学科の学生だったころ、英国の小説の中に「なんとか麦のプディング」という記述があり、プリンといえば日本のあのプルプルのゼラチンとか寒天で固めたような甘い洋菓子のイメージしかなく、どういうことかと困り果てたことがあった。
 この疑問は後に出張でロンドンを訪れた際にローストビーフの有名なレストランでの食事で解決をみた。その店ではオーブンなのかなんなのか大きな鉄の箱のようなものをワゴンに載せて来て、客の前で、シェフが肉を切り分けて供するのだが、その鉄箱の肉のトレーにはごろごろとしたパンのようなものがあった。ちょっと目にはシュークリームのようにも見えるのだが、けっして日本のシュークリームのようにふわふわではなない。ぎっしり中身の詰まったパン。しかもローストビーフの脂というか肉汁とかを吸ってぎとぎとしていた。これがプディングというものであった。
 わたしたちが日本でプリンと呼んでいるものとはにても似つかない。たしかにこれは「なんとか麦でつくられたプディング」なのかもしれない。
 ところで、ローストビーフも日本のそれとは大きく違う。日本国内でのローストビーフといえばハムのような薄切りの肉で、洋わさびなどをつけて供されるものを指す。しかしロンドンのローストビーフは日本でいうところのステーキそのものなのであり、1枚300グラムはあろうかと思われる分厚いものなのであった。これが数枚大きな更にのせられ、件のプディングが添えられるのである。プディングは甘さなど微塵もなく、ましてクリームなどがはいってはいない。これは菓子ではなかった。
 日本のプリンの歴史をぜひ探りたいと思うのだが、近いものとしてはイタリアのパンナコッタが浮かぶ。イタリアでは違うのかもしれない。ティラミスだってパリのティラミスは日本の3倍ほどの大きさがあって、日本にあるものとは位置付けがちがうんではないかと思った。
 画像はイタリアンプリンという名称のもので、ネーミングに苦しまれた方がいたに違いないと思った。

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